istyle データマネジメントチームの立ち上げ&Tableau導入(7~12月の振り返り)

この投稿はアイスタイル アイスタイル #2 Advent Calendar 2020 – Qiita の25日目の記事です。
アドカレ1枠目もあるよ!

7月にデータマネジメント領域を扱うチームを立ち上げ、データの活用環境と人材育成に力を入れた今年7月から12月までの振り返りをまとめました。
こんにちは やす( @YASU11552288)です。それでは早速記事へ

データマネジメント領域を扱うチームの立ち上げ(7月)

5月に新組織のマネージャーになることが案内され、2ヶ月でチームのビジョン・ミッションを固めて、7月に待望の立ち上げを行うことができました。


図:チーム立ち上げの際の資料の一部

今まではエンジニア組織の部の中で他のグループに内包された形でしたが、独立した形となります。一番大きな変化はデータ活用専門の予算がついたことです!

今までは予算がついてないためOSSや内製でデータ活用の基盤整備を行っていましたが、かなり選択肢が広がりました。この貴重な予算何に使ったかというと…

Tableau導入(4年ぶり2度目)

選んだ理由

BIツールは既存環境としてはRedashが導入されていますが、SQLの知識がないユーザーにとっての可視化にはハードルが高く、ダッシュボードツールとしては優秀ですが分析手段としては柔軟性が少し欠けていて、会社のデータ活用を底上げするものとして、もう一歩足りないと感じていました。

SQL勉強会などを過去に行ったこともありますが、約1000人の社員にクエリを書けるようになる成長を期待するのは難しいと感じたこともあります。

そこでBIツールの再検討をOSS・有償問わずに行い、Tableauの導入を決めました。
選んだ理由としては下記のような理由です。

  • 分析UIがピボットのイメージで、Excelユーザーが入りやすい
  • 日本語ドキュメント、解説記事が多い

この先一生Tableauを利用するという面というより、今のistyleグループにとって導入からすぐ価値が出せるのがTableauじゃないかという理由が大きいです。そのためにもあまりTableauの責務が大きくなりすぎないように、データ自体に依存する処理はTableauではなくほぼBigQueryで完結しています。

4年ぶり2度目?

実は過去にもistyleグループはTableauを導入したことがあります。当時は事業部の予算付で導入しましたが、全体的にデータマネジメントの関心が薄く(僕自身も)ひたすらにレポートが量産され、整理がされず、最後は検索性と再利用性がとても低いBIツールとなってしまっていました。

そのような失敗があったにもかかわらず、なぜ今回また選んだのか。それはツールが原因ではなく当時の運用に問題があっただけであり、運用さえ改善すればツールとしては優秀だという仮説が僕の中であったからです。

化粧品ブランドへの営業の課題改善(7~11月)

4年前の導入では無計画に広めてしまったため、レポートが乱立するという事態が発生しました。今回はその反省を活かし、ターゲットの部署を決め、その部署のデータ活用の課題解決とセットで導入することで計画的に、またTableauが業務に入り込むように導入を行いました。

7~11月のターゲットは化粧品ブランドへの営業に絞りました。選定した理由としては「会社の利益の多くを支える部門の導入の成功は、ビジネスインパクトにつながり、その後のTableau浸透が進めやすくなる」と考えたからです。

ヒアリングを始めるとデータ活用に関して営業だけでなく、グループにおける課題もかなり見えてきました。

①グループ内の別会社のデータをもらうには、複雑なオペレーションが発生している
②昔の分析アプリケーションが使いづらい
③新入社員が活躍しづらい環境になっている=ナレッジシェアがあまりされていない
④複雑な分析・ビックデータを分析できる環境がない

①はチームにとって衝撃でした。自分たちはBigQueryへ全てのサービスのデータ集約し、見れているにもかかわらず、一方でデータの取得にかなりのコミュニケーションが必要としている社員がいたのです。

7~11月は①②③を、④はそれ以降の解決を目指し、プロジェクトは走り始めました。

チーム5名で200名の部門を継続的に改善できるのか…

立ち上げたチームは5名しかいません。またプロジェクトが終了した後に専属のリソースを潤沢に割ける見込みはなく、プロジェクト終了と同時にサポートがなくなってしまえば、活用は停滞するでしょう。

そこでエバンジェリストと呼ばれるTableauの浸透を進めてくれるメンバーをブランドの営業メンバー中心に約15名選定しました。データ活用に関心がある方や若くモチベーションがある方を選定しました。後者の理由はTableauを利用し活躍する若い社員を見て、中堅層への意図的な焦りを生み、Tableauの利用を促進させる狙いがあります。
ただ、どれくらいこの施策がはまるかは全く予想はできていませんでした…。

成果

最終的には5つのダッシュボードをリリースし、現在利用されています。下記画像はその一部です。もちろん通常のプロダクトと同じようにUI/UXは継続的に改善する必要があり、現在も運用で改善しています。①に対するインパクトはかなり大きくて「ブランドをグループ横断の視点で見れるようになった」「コミュニケーションコストが減った」などの声を聞きます。導入後まだ間もないので、今後定量的に評価を行いたいです。


図:店舗のブランド別売り上げダッシュボード

またエバンジェリスト施策は予想以上の成果でした。エバンジェリスト内でTableauの浸透方法を考え、チームに動画で操作方法とデータの解説を企画してくれたりと、かなり積極的な動きをしてくれています!!

このエバンジェリストを中心にデータマネジメントのチームとブランド営業のチームがかなり強固な関係性を築けたことも一つの成果で、週に一度の定例会に限らずかなりコミュニケーションが生まれていて、僕らも手触り感のあるドメイン知識をインプットできています。

チームで変わったこと(12月)

プロジェクトを通してですが、チームに変化がありました。

🙂 メンバー間のコミュニケーションが増えた

プロジェクトが始まる前は、僕自身の在籍年数などに比例してチーム内も外も質問や相談が僕に集中していました。チームの立ち上げの際にも上司から「データといえば やす というのから、データといえばこのチームというブランディングに変えていって欲しい」という展望もあり、どう解決しようか考えていましたが、まずはチーム内でその変化が起きました。それによりメンバーの自走力が高まり、今はチーム外のコミュニケーションでもかなり頼られているメンバーができました。

🙂 スプリントの振り返りなどメンバーによってどんどん改善されていった

メンバーの自走力が高まった影響はチームの仕事の進め方にも変化が生まれました。今まではカンバンや振り返りのやり方も僕自身が設定し、運用していましたが、プロジェクト終了後からメンバーの「ここはこうした方がもっといいと思うので、こうしませんか?」という改善の提案と実行機会が多くなりました。

マネージャーになって半年、これらの変化は僕自身に大変学びもありますし、なにより一時期社員1名になった時と比べると、とても心強いメンバーと働けているなと強く感じます。

2021年1~6月はどうするのか

11月からは「化粧品ECと化粧品店舗の部門」へのTableau導入も進めているので、まずはそれを完了すること。
そして…全社データ基盤の設計を完了し、開発を始めることです。
現状アイスタイルグループのデータ基盤は複数あるため、同一項目同一指標でも社内レポートとアプリケーションでずれがあったり、一人のユーザーさんの行動の真実が読み解きづらい状況にあります。

次回は「MAU 1300万人を支える全社統一データ基盤を作ってみた」でお会いしましょう。
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2016年 istyle 新卒入社 データエンジニア & アナリスト 好きな食べ物はハンバーガーとラーメンとタイ料理

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